Nipo【旧版】とNipoPlusの違い
NipoPlusを開発した経緯
NipoPlusは、既にリリースから6年が経過したNipo【旧版】の後続アプリケーションです。初回リリースは2018年5月で、その後も多くのユーザーから機能追加の要望を受けてきました。 当初、Nipo【旧版】を開発した際にはWebアプリ開発のノウハウが十分でなく、システムの拡張性に課題がありました。このため、多くの新機能を加えることは難しい状況でしたが、既存の機能は問題なく動作しています。 しかし、将来的にさらなる機能拡張を行う際には、現在の基本設計が制約となることが予想されました。
多くのユーザーがシンプルなNipo【旧版】を支持してくれたことを考慮し、既存のNipo【旧版】はそのままの機能で継続し、新たに多機能版として「NipoPlus」の開発を開始しました。
NipoPlusでは、使用感が「シンプルなNipo【旧版】」から「多機能なNipoPlus」へと進化します。現在のシステムから新しいステージへの移行は現実的ではないと判断し、後続アプリケーションとしてNipoPlusをフルスクラッチで開発しました。NipoPlusはNipo【旧版】を基にしていますが、細部に至るまで全て新しく設計されています。もちろん、Nipo【旧版】も引き続きサポートしていきます。
Nipo【旧版】の使い勝手を保ちつつ、大幅に機能強化を図りました。
結局のところ何がどう変わったの?
テンプレートを作成し、テンプレートに沿ってデータの入力を行うという基本コンセプトに変化はありません。 コンセプトが同じなので、大まかな使い方においてはNipo【旧版】とNipoplusは同じです。
では何が変化したのか、いくつか主要な点にフォーカスしてご紹介します。
組織概念の導入による統括管理の強化
Nipo【旧版】からNipoPlusへの移行で大きく変わった点の一つが、組織概念の導入です。Nipo【旧版】では、スタッフをグループに招待し、そのグループ内で日報をやり取りする仕組みでした。最も身近な例としては、チャットアプリのグループチャットが挙げられますが、個人が自由にグループを作成したり退出したりできるため、会社組織全体としての管理が難しかったです。個人アカウントを中心に設計されていたため、例えば管理者であっても従業員のアカウントを無効化することができませんでした。
NipoPlusでは、これらの問題を解決しました。ユーザーは必ずある組織に所属し、組織内の管理者が全ユーザーのアカウントを管理できるようになりました。Nipo【旧版】に存在した「グループ」の概念は残りつつも、それらはすべて組織内で設定されます。 組織下でグループを自由に分割し、運用できるようになりました。料金体系も変更され、Nipo【旧版】ではグループ単位での課金でしたが、NipoPlusでは組織内のアカウント総数に基づいて課金されるため、複数のグループを持つ場合でもコストを抑えることができます。
使用サーバの変更とそれに伴うコストダウン
Nipo【旧版】ではFirebaseとTypesenseを使用していましたが、NipoPlusではFirebase(異なる拠点)とElasticSearchを採用しました。ElasticSearchはTypesenseに比べてコストはやや高いものの、その汎用性によりトータルコストの削減に寄与しています。
また、NipoPlusはサーバへの負担を最小限に抑えるように設計されております。アクセスの頻度を減らすことでサーバコストだけでなく、ユーザーの通信コストも削減します。 例えばデータの変化がない場合、端末内のキャッシュを利用することで無駄な通信を削減します。 日報の表示においても、Nipo【旧版】では設定により直近200件を毎回ロードしていたのに対し、NipoPlusでは指定期間のデータのみをロードするように変更されました。
これらの効率化により、NipoPlusの利用料金はNipo【旧版】に比べてさらに低く設定されています。Nipo【旧版】の料金がユーザー数や申込み期間により1名あたり月額200円から500円で変動していたのに対して、NipoPlusは1ユーザー月額180円(5名以上の場合)と非常に明確かつ低価格です。3名での使用ではNipo【旧版】とほぼ同額ですが、4名以上の場合にはNipoPlusが明らかにコストパフォーマンスが高くなります。
サーバコストの工夫により、人件費と並ぶWebアプリの主要なコスト要因を抑え、より経済的な価格設定を実現しています。
安くて更に高機能になったのです
新機能のピックアップ
インフラや基本設計の変更は、開発側の視点からは大きな進歩ですが、実際の利用者にとってはその影響を直接感じることは少ないかもしれません。日常的に使用する中で、より顕著に感じられるのは新しい機能の追加でしょう。 ここでは、Nipo【旧版】からNipoPlusに移行して加わった主な新機能をいくつかピックアップして紹介します。
テンプレートのカスタマイズ性が向上
Nipo【旧版】に比べて各入力フォームの幅をより柔軟に変更できるようになっています。 例えば次の画像のようなテンプレートが作れます▼
Nipo【旧版】は1行に最大で2列までしか追加できなかったため、上画像のようなテンプレートは物理的に作れませんでしたが、NipoPlusでは1行に最大12列追加できるようになりました。 また、NipoPlusではいくつかの入力フォームも追加されました
反復入力フォームはNipo【旧版】にも有りましたが大幅なレベルアップをしているので新規追加と言っても良いレベルです。そのためリストに掲載させていただきました。 他にも見出しの色変え機能や説明用画像の添付、入力順序の制御など、数多くの機能がNipoPlusにて実装されました。 選択肢1に応じて他の選択肢が変化する動的変化機能など、ユニークな機能も追加されています。
レポートの検索もこれまで以上に多機能に
Nipo【旧版】のシンプルな受信BOXと比較してかなり機能が追加されたことが画像から読み取れます。
右側のカレンダーで選択した範囲の日報しかロードしません。先述した容量節約の点です。 また、よく使う検索があれば検索条件として保存することもできます。毎回同じ検索を指定しなくてもワンクリックで検索が可能になりました。 Nipo【旧版】ではスクロールし続けて次のレポートを読み込む仕組みでした。これはスマートフォンのようなモバイル機器とは相性が良いですが、PCとはあまり相性がよくありません。 一般的なページネーション機能を実装することで、PCからでもページの切り替えが簡単に行えるようになっています。
一覧から任意の日報をクリックするとポップアップで表示されるようになった点も注目です。一覧画面を維持したまま、目的の日報を見ることができるため、操作性が大幅に向上します。
日報の承認リレーができるように
Nipo【旧版】では提出先は常に1名という制約が有りました。他のスタッフにも共有する場合は共有先に追加することで対応をしていました。 多くのケースではこれでも十分ですが、NipoPlusでは日報の提出先を複数名指定できるようになりました。 複数名指定することで承認リレーが実現できるようになりました。
※提出先が1名の場合はNipo【旧版】と変わりません。
CSV出力機能の強化!画像もまとめてダウンロード可能
Nipo【旧版】のCSV出力は設定で変更することが一切できませんでした。決まったCSV形式しか出来ません。NipoPlusではCSVの出力形式を事前に細かく指定できるように強化されました。 CSVファイルの利用目的に応じて設定を適切にすることで、CSVファイルの加工の手間を大幅に軽減できます。
またCSV出力設定から「ファイルの出力」をONにすることで、日報に添付された写真やイラスト、ファイルなどをZipで一括ダウンロードできるようになりました。 Nipo【旧版】は画像データを出力するにはPDF出力するしかなく、NipoPlusで大幅に強化された機能の1つといえます。
集計、分析機能の強化!グラフ化や過去データ比較が可能に
集計に関してはNipo【旧版】の集計と比べて雲泥の差があります。まずグラフ(円グラフ・折れ線グラフ・棒グラフ・レーダーチャート・複合グラフ・積上縦棒グラフなど)を自由に作れるようになりました。
複数のグラフを作り、ワンクリックで切り替えも可能です。 他にも多くの機能がありますがここに書くには内容が多すぎるのでよしておきましょう。詳しくはグラフ作成のページを御覧ください。
アプリ内の通知機能が実装
Nipo【旧版】では新規の日報やコメントの検知をメールで発行していました。NipoPlusではアプリ内の通知領域から最新の通知を確認できるようになりました。
またNipo【旧版】にもサポートされていたメール通知機能も実装されています。 Nipo【旧版】のメールはあまり使いやすいものではなかったでしょう。通知のメールのみで、そこにはリンクの1つもなかったからです。 NipoPlusでは通知にすべてリンクが貼られ、クリックでその日報へ直接アクセスが可能になりました。
Nipo【旧版】をご利用の方がNipoPlusに移行すべきか?
先に申しておきますと今後もNipo【旧版】は継続してサポートされます。 ただ積極的な開発は行われることはありません。定期的なメンテナンスとセキュリティ・アップデートに留まります。
乗り換えを検討するうえで重要な点として使用しているサーバが異なるため、基本的にデータの引き継ぎはできない点です。 日報テンプレートはJSON形式でNipo【旧版】からエクスポートしたあと、NipoPlusにインポートする形で引き継ぎが可能ですが、アカウントや過去の日報、コメントのやり取りといった多くのデータは引き継ぎできません。
引き継ぎが不可能でもNipoPlusへの移行を希望する場合
データ引き継ぎが不可能でもNipoPlusへ乗り換えたいという方が思いの外多いため、筆を執っています。 前述の通り引き継ぎはできないため、NipoPlusへは新規でアカウントを作成していただく必要があります。 テンプレートは必要に応じてインポートしていただけますが、NipoPlusのほうがテンプレートについてもより細かい制御が可能になるため、余裕があれば1から作り直していただくのが理想です。 例えば幅の制御が細かくできるようになったり、入力順序の指定もできるようになっています。
具体的な流れ
- NipoPlusでアカウントを作り、初期設定をします
- NipoPlusで運用を開始してください
- Nipo【旧版】で必要に応じて過去データのCSV出力やPDF出力をしてデータを手元に残してください(詳しくは次章:過去データについてを参照)
- クレカ決済の場合、Nipo【旧版】の課金を停止してください(請求書払いの場合は自動で失効しますので何もする必要はありません)
- 必要に応じてNipoPlusのGOLD PLAN加入を検討してください
Nipo【旧版】の過去データについて
最も心配されるのが、Nipo【旧版】のデータがどうなるのか?という点です。 これについては無料プランになってもデータは消えません。ご安心ください。 引き継ぎができないだけで、過去のデータはNipo【旧版】のシステムに残るため、もし過去のデータ必要になった場合でもNipo【旧版】にアクセスしていただければいつでも閲覧可能です。 ただし、無料プランになるとCSV出力やPDF出力などいくつかの機能が制限されてしまうため、あらかじめこれらの処理は済ませておくことをおすすめします。
本当にNipoPlusへの移行が必要かはご自身で判断してください
Nipo【旧版】もNipoPlusも制作陣が同じため、たいてい同じようなことができます。Nipo【旧版】は精力的な開発はされませんが、Nipo【旧版】の機能で十分間に合う場合、今すぐ無理にNipoPlusへ移行する必要はありません。 NipoPlusはNipo【旧版】に比べて若干機能が増えたため、少し複雑に感じるかもしれません。一度慣れたシステムから切り替えるのは社員への周知徹底など、結構な労力を要することになります。 それらの労力を投下しても乗り換えるメリットがあると判断いただければ、乗り換えをご検討いただければと思います。 ご利用料金については多くの場合はNipoPlusのほうが安価になりますが、場合によってはそこまで変わらないケースもあります。 (例えば 25名請求書年間払いの場合、NipoPlusでもそこまで変わりません。一方で少人数の場合はNipoPlusのほうが安くなります)
一部の機能はNipoPlusで廃止されました。
- プロジェクト機能(形を変えて再登場予定)
- 月間カレンダー上の集計機能
- グループモードの共有しないモード
旧バージョンのNipoを起動します
- こちらは旧バージョンのアプリになります